クルフィーの色~インド.料理.旅など~

ひたすらインドとヒンディー語について綴られるブログです

読後に体がホワーンとする本を読んだ

アニータ・ムアジャーニ著、「喜びから人生を生きる、臨死体験が教えてくれたこと」を読みました。
(Amazon詳細:喜びから人生を生きる! ― 臨死体験が教えてくれたこと)

アマゾンでなんとなく本の一覧を見ていて、たまたま続編の本をクリックしたのがきっかけでした。
(Amazonで見かけた続編の本:もしここが天国だったら? ― あなたを制限する信念から自由になり、本当の自分を生きる)
「もしここが天国だったら?」という主タイトルだけを見たときに、この「天国」がどういう意味を持つのか気になってレビューを読んでいたら、この本が続編であり前編のほうを読んだ上での内容になっているとのことでした。
そして前作である喜びから生きるというタイトルのこの本、やはり主タイトルだけを見て副題は目に入っていなかったので、単なるポジティブ思考で生きろという啓発書かと思いながら本の説明やレビューを見ました。
そこには著者はインド人女性であることが書かれており、末期癌で瀕死の状態から臨死体験を経て、癌の症状が消滅したとのことでした。
私はオカルトが苦手なので、普段だったらこの手の本は触れないようにしていますが、最近インドの宗教について興味を持っていて、著者がインド人であり宗教に関わる人生経験を持った上で臨死体験から癌完治も体験したということで、内容も恐怖ではなく明るい印象のものでありそうに感じられたので、すぐ読んで見ることにしました。


読後、とても不思議な感覚に包まれています。
読んでいる最中も私の知らない世界をずっと見ているような、ぼーっとした感じと集中した感覚がありました。
著者が体験したことをできる限り言葉に表そうという気概が感じられ、私は読者としてその本に書いてある分だけ彼女の体験を知ることができました。
というのも、本の中で著者は何度も述べていますが、彼女の体験は言葉で表せるものではないとのことです。
それはこの世で見える断片的なものを超越した世界が、臨死体験中に広がっていたからだということで、あくまで比喩的な表現を用いて文章にしているそうです。
著者が悟ったことは、この世の全ての人が完全なる存在であるということ、そのまま今を存在することが全てを完全にしているということでした。
だからこそ、それを形成する一部である自分という存在は大きく、愛されるべきである、自分で愛することが不可欠だとのことです。
著者は自分をないがしろにして内側に閉じ込め続け、癌に対して非常に恐怖心を抱いていたから自身も癌になったのだと説明しています。
なぜそのように著者が言うのかは、ネタバレになりそうなので書くのをやめておきます。


この世にある様々な恐怖から抜け出すために、この本は役立つのではないかと私は思います。
病気も、将来に対する漠然とした不安も、周りからの批難もそうですが、何より自分で自分を非難したり自己評価を低く持って小さな存在に感じようとしている場合に、本来の生気を取り戻して精神的及び具体的行動において上昇できるのではないでしょうか。
人生で自ら苦しい選択をすることがなくなるでしょう。
自分の内側に全てが存在していて、それがこの世界で起こるできごとに影響していると著者は言っています。
内側の恐れ、特に死への恐れが無くなれば、この世に怖いものは何もなくなるとのことです。
著者の臨死体験を読むと、死んでいくときは全く恐怖はないようです。詳しくは本書に書いてありますが、私はこの本を読んでいろんな漠然とした事象に対する恐怖心が幾分軽くなった気がしています。
私みたいな怖がりでも逆に明るくなった気がするので、スピリチュアル系が苦手な方にも生き方の参考としてお勧めします。