クルフィーの色~インド.料理.旅など~

ひたすらインドとヒンディー語について綴られるブログです

ヴィーガン、菜食主義者への見方とは 各々の選択

私は最近、以前にも増して「ヴィーガンVegan)」という言葉を目にするようになりました。
インドに滞在したことのある私は、菜食に関しては特に目新しくもありません。
ただ、ヴィーガンに関しては、まだそのような食生活の人物に出会ったことがありません。ヴィーガンの人は肉魚だけでなく、蜂蜜も食べませんね。インドのヴェジタリアンでよく出会うのは、人口の多くを占めるヒンドゥー教に基づいて、アヒンサー、つまり殺生をしない食べ方のタイプになります。よって、乳製品は口にするけれど、卵を食べるか、食べないかなどで分かれていきます。
ジャイナ教徒は無殺生で生きていくため、ジャガイモなども食べないそうです。なぜかというと、うっかり畑仕事で掘る時に虫を殺したりしてはいけないのです。地中にいる微生物も殺さないという考えだそうです。
ヴェジタリアン及びヴィーガンでよく言われるのが一部の栄養素(とりわけビタミンB12たんぱく質)の不足についてですが、インドのヴェジタリアンは牛乳や牛乳と酸(酢やレモン)から作られるチーズ(パニール)、豆類などを食べるので、気をつけていれば深刻な栄養不足にはなりません。
ちなみにビタミンB12は動物由来の食物でなければ自然界に存在しないと言われることもありますが、実際は植物由来の食物にも含まれています。ビタミンB12を摂取するには海苔が一番いいそうです。1日4gの海苔を食べれば1日あたりの摂取基準値を満たせるということです。(参考論文:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4042564/


精神世界や宗教的な思想に触れていると、肉や魚を食べることは好ましくなく、革製品や羊毛製品なども身につけないことがあります。さらにはグルテンや乳製品もよくなく、一部の野菜さえもよくない場合があります。
いわゆる体の健康のためだけに菜食になるのではないのです。魂など目に見えない非物質のために、ヴィーガンになるべくしてなる、導かれていくといいます。
生き物を殺して食べること(動物愛護)、宗教、健康などの観点以上に、このような思想もあるということです。
人間に備わっている直感など、科学では説明できない霊的な力が妨げられるという考えもあります。


私はずっと、動物は肉食もするのに、なぜ人間だけ肉食をやめるべきだと問われる考えがあるのか疑問に思っていました。今わかっているのは、動物が行なっていることが必ずしも人間にとって自然であるとは限らないということです。例えば、カッコウが他の鳥の巣に卵を産んで自らの代わりに育ててもらったり、ということでしょうか。



先日、動画で日本のヴィーガンについて特集されている番組を見ました。実際にヴィーガンの人とともに番組の出演者たちがうまく折り合いをつけようとしていて、動画のコメント欄は肉食、菜食、動物愛護などの論議であふれていました。
私は何に関しても、論議をする気持ちは全くありません。人それぞれです。自分で自分の考えを知っていれば十分です。どんな物事に際しても、自分の気持ちを理解してもらおうとすると、相手に押し付けたり、その人の持つ考えを捻じ曲げ、ねじふせようとしてしまうためです。
理解できない考えがあったとして、それはただその様に在るだけだと思っています。


私の住む地ではヴィーガンが流行り始めています。ひき肉に似せたヴィーガンミンスミートや、ヴェジタブルフライなども売られています。
日本ではまだマイナーかと思われますが、菜食、そしてヴィーガンの人もまた存在するのです。


数日前は一連のヴィーガンの流れに関連するかのように、環境問題のストライキに関して私の知人達がネット上で論議しているのを見ました。
そうして人々が怒りながら、環境問題に対して訴え、菜食であれ、肉食もしろと言い争いをしているのをみることが多くありました。そして、それらの意見に矛盾が見えることもあります。


この記事で結論のようなものは出せませんが、ただ人々がそれぞれにとって幸せな選択をできるように祈っています。


↓菜食、ヴィーガンに関する文献