クルフィーの色~インド.料理.旅など~

ひたすらインドとヒンディー語について綴られるブログです

アロマオイルの本で考えた私の情熱、スパイスの配合

アーユルヴェーダに使うブレンドオイルを作るにあたり、新たに書籍を読みました。
中村あづさアネルズの誰も教えてくれなかった精油のブレンド学という本です。
素晴らしい内容でした。私は高校生の頃から数々のアロマオイルに関する本に触れてきましたが、それまでのものと一線を画しています。
インドのサンダルウッドについて、またアッターと呼ばれるものについても写真付きで詳細が書かれており、アロマとしてではなくインドに関する情報を知るためにも良いと思います。


本書を読んで、著者のアロマセラピーに対する熱意に自分の姿を考えさせられるきっかけとなりました。
そこで、今回はこうしてブログを更新しています。
後書きに書いてあるのですが、著者はイギリスで知り合った後の恩師の元でアロマセラピーを学ぶにあたり、まずはイギリスに留学して英語を学んだそうです。
また、精油がどのように作られているか各国の生産農家を訪ね、精油になる過程まで常に把握しています。精油のボトルと内容が合っているか、品質による差や、ブレンドの仕方など、一流としか言えない著者の姿が本を通じて感じることができました。


そんな著者に対し、私はそこまでできる情熱が今の仕事にはあるだろうかと、まず考えました。
この方と比べてしまえば、私の持つ情熱とまた方向が違うと言えるでしょう。私にセラピストとしての情熱がないわけではない、でもここまで1つのことを突き詰めるような状況は今まで経験したことがありません。


ただふと思ったのが、この方がアロマのために英国留学をしたのは、私がヒンディー語を学び始めた頃と似ているのではないかということでした。
そもそも私は18歳の時、将来インドの雑貨を自分の手で直接交渉して買い付けたいから、ヒンディー語を学ぶと、大学を決めたのでした。


とはいえ、大学当時は、まさかアーユルヴェーダにも手が及ぶとは思っておらず、高校生の時はまさか将来仕事でアロマを本格的に用いるだなんて思ったことがありませんでした。そして今年に入るまで、自分でブレンドしたオイルをお客様に使うなんてこと考えていませんでした。


この本ではアロマオイルのブレンドについて主軸が置かれているのですが、著者のブレンドの仕方が、インド料理のスパイスの配合にも近いものを感じました。
たくさんのブレンド経験があればあるほど、頭の中で香りが想像できるのです。それは、インド料理で「このスパイスを入れたらどうか」「この野菜にはこれが合うだろう」「このスパイスとこのスパイスの組み合わせでこんな風になるだろう」など、そんな風に料理中に考えている私の姿と少し重なりました。本書の中でも、著者は精油ブレンドについてを料理にたとえている記述が見られます。


アロマオイルの薬効より、人それぞれが求めている香りへの探求に焦点が当てられ、精油の元となる植物本来の姿、生産者の姿が見えてくる本です。
精油の持つ芳香分子について詳しく述べられているものを探してこの本にたどり着きましたが、それについても、それ以外の内容についても素晴らしかったです。


私ももっと、アロマオイルと私が情熱を傾けられるものについて探求しようと思います。




中村あづさアネルズの誰も教えてくれなかった精油のブレンド学